届出荷送人ならびに登録確定事業者は、業務を開始する前に、コンテナ総重量を確定させるための業務実施方法をマニュアル化した「業務実施手順書」を
作成しなければなりません。
「業務実施手順書」には、以下の内容を記載する必要があります。
また、それぞれの具体的な記載事項についても、以下の項目でご案内します。
●計測・算出方法に関する事項
・自ら計測をする場合には、計測方法や計量器の名称、計測する場所
・自ら計測しない(計測を依頼・委託する)場合には、法令に基づき確実に計測することを計測する者に指示すること
・足し合わせによりコンテナ総重量を求める場合には、貨物、梱包材等の重量の入手方法と算出方法
・その他必要となる事項
●計量器の性能の確保に関する事項
・計量器を保有する場合には、定期的な校正・点検・調整の方法
・計量器を保有しないが自ら計測する場合には、計量器を使用する前に校正の記録を確認すること
・計測を自ら実施しない場合には、契約等に基づき計測する者に対して計量器の定期的な校正・点検・調整を実施させること
・その他必要となる事項
●コンテナ総重量確定業務に関する教育・訓練に関する事項
・重量確定業務(制度)に関する社内研修の実施概要
・重量確定業務(制度)に関する教育・訓練の実施タイミング
・重量確定業務(制度)に関する教育・訓練の実施記録の保管について
・重量確定業務(制度)に関する教育・訓練の実施記録への記載事項について
●コンテナ総重量を記した船積書類等に署名する者に関する事項(署名は個人名に限らない。また、印字でも構わない)
・船積み書類等に署名する者の名前または名称
・自らの責任で、登録確定事業者以外に船積み書類等への署名を依頼する場合には、依頼する相手方の名称(依頼先が不特定多数の場合、契約取決等に
基づき、船積み書類等へ署名を依頼する旨)
・その他必要となる事項
●確定したコンテナ総重量の船社またはコンテナヤード責任者への伝達に関する事項
・船社等へのコンテナ総重量の伝達に用いる方法(ドックレシート、搬入票、電子的方法等の別など)
・その他必要となる事項
●自ら計測しない貨物品等に関する事項
・自ら計測しない貨物品の品名
・重量情報の入手方法(パッキングリスト等)
・届出荷送人に伝達される重量情報に責任を有する者
・計測する者が不特定多数となる場合等では、自ら計測しない貨物品等が、使用することができる計量器により計測がされることを計測する者に指示す
ること
・計測する者の選定方法(契約に関する社内規定等)
・その他必要となる事項
●計測・算出の記録の保管に関する事項
・コンテナごとの総重量の計測結果の記録の保管方法(社内外を問わず、記録の保管責任者など)
・記録の保管期間(法令、契約等に基づき保管が義務づけられる場合にはそれに従うことが必要ですが、少なくともコンテナ総重量を確定させたコンテ
ナが受荷主に引き渡されるまでの間は保管することが必要となる)
・その他必要となる事項
●計測等の依頼に関する事項
・計測や算出を自ら実施しない場合には、契約等により依頼すること
・子会社、親会社に依頼する場合には、依頼する相手方の名称
・自らの責任で登録確定事業者以外に計測を依頼する場合には、依頼する相手方の名称(依頼先が不特定多数の場合、契約等に基づき計測を依頼する旨)
・その他必要となる事項
●上記各事項の点検方法(外部監査や内部監査など)に関する事項
・定期的(少なくとも3年ごとに点検されることが望ましい)に実施される監査(ISO認証機関による外部監査や、内部監査等)の受検方法や実施方法
に関すること
・その他必要となる事項
国土交通省の「国際海上輸出コンテナの総重量の確定方法マニュアル」では、業務実施手順書の作成について、以下のようなポイントを紹介しています。
必要に応じ、これらへの対応が求められます。
●管理責任者の任命
➡ 重量を計測する事業所においては、重量確定における管理責任者を置くことが推奨されており、管理責任者以下のような役割を担う立場となります。
〔管理責任者の役割の例〕
・手順書または規程の作成および管理
・手順書または規程が組織内に伝達され、理解されることを確実にすること
・コンテナ総重量を確定するプロセス(計画、実施、検証、改善)の管理
・記録類の管理
●計量器の管理
➡ 重量計測に使用する計測器については、以下のような管理が必要です。
・使用前に点検を行うとともに、定期的な点検または校正、調整を行う
・点検または校正、調整の記録の管理
・点検または校正、調整の有効期限の設定、計量器ごとの点検または校正、調整の時期
・複数の計量器を使用している場合は、管理番号の付記
●検査または校正、調整の手順
➡ 重量計測に使用する計測器の点検または校正、調整については、以下のような手順などの明確化が必要です。
・内部で実施するのか、外部に委託するのかを決定
・点検または校正、調整方法の手順の明確化
・内部実施の場合は、担当する者が適切な教育、訓練、経験に基づき、力量を備えていること
●計量器の点検
➡ 重量計測に使用する計測器については、定期的な点検または校正、調整以外にも、日々の点検が重要です。
日々の点検についても、手順書に記載し、点検の記録により点検漏れをなくし計量器に異常がないことが確認できます。
〔点検項目の例〕
・零点を合わせる、または零点スイッチを押し零点を確認する
・計量器の水平を確認、四隅の遊びがないかを確認する
・チェック分銅がある場合は、精度が十分か計量器に載せて確認する
・外観に異常がないかを確認する
・点検または校正、調整の期間が過ぎていないか確認する
●計量器の知識
➡ 計測を実施する担当者は、計量器の構造を把握し正しく使用する必要があり、その知識は組織間で共有・維持されなければならないため、その内容
の周知、実務担当者や関係者が力量を備えていることを確実化する必要があります。
〔計量器使用上の注意の例〕
・被計量物を、計量器の中央に静かに載せること
・被計量物が、計量器の使用範囲内であることを確認すること
・電気抵抗式はかりは、15分以上ウォーミングアップを行うこと
●計量を要しない貨物または固定材等の重量確定方法
➡ 計量を要しない貨物または固定材等の重量の確定については、その確定を行う者が、重量確定を依頼した者より提供された重量情報との乖離がない
ことを確認する項目です。
〔記録事項の例〕
・貨物、シッピングマークに記載された重量を使用する場合
例1:重量情報に疑義がある場合は、貨物を計測し、実際の重量と乖離がないことを確認する
例2:重量情報が、特定計量器または点検、調整された、器差が±5%の範囲内である計量器で測定された重量であることを確認する
・過去に計測した貨物の重量計測実績を使用する場合
例1:書類、貨物の外観をチェックし、過去に測定したものと相違ないか確認する
例2:重量情報が、特定計量器または点検、調整された、器差が±5%の範囲内である計量器で測定された重量であることを確認する
・コンテナの自重を使用する場合
例 :機器受け渡し証(EIR)等の書類において、転記ミスがないことを確認する
●重量確定業務(制度)に関する教育、訓練
➡ 重量確定を行う実施者および登録・届出を行う担当部門の責任者は、その業務の適切な遂行のため、教育・訓練を受ける必要があります。
そのため、社内で、「重量確定に関する研修カリキュラム」を作成し、定期的な研修の実施およびその記録の保管を行う必要があります。
〔記録事項の例〕
・記録文書の作成日
・社内研修の実施日
・受講した業務担当者の所属、氏名
・講師等の所属、氏名
・教材、カリキュラムの内容
・事後フォローアップ
・その他必要となる事項
●記録の管理
➡ 文書化した記録内容については、関係者が必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態にある必要があります。
〔管理する記録の例〕
・計量器の校正記録
・計量器の点検記録
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